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最近読んだ本

カール・ヘイン氏、ジョン・ボーン氏浜松レクチャー

Photo_4 エンタテイメントの超大国アメリカ合衆国から、二人の新世代マジシャンがやってきます。 バーやレストランからニューヨークセレブの邸宅まで、現場を選ぶことのない二人のオールラウンダー。米国が世界に誇るエンタテイメントジャンルのテイストをすぐ目の前でお楽しみください。

カール・ヘイン
カードマジックジャンルにおいて21世紀に考案された中でも特に研究改良が行われたであろう技法、ハイン・シュタインシャッフル。その視覚的錯覚の強さは世界中のマジシャンを驚嘆させました。 しかしながら、カールの本当の素晴らしさはやはり職業プロとしての実践論、実践の感覚にあります。 見て楽しい。知って楽しい。できて楽しい。 視覚的錯覚に対する拘りや感覚の鋭さ、そのセンスから生み出されるマジックの数々は、老若男女を幅広く受け入れる「使えるもの」ばかりです。

ジョン・ボーン
米国のプロフェッショナルマジシャン、メンタリスト。 技巧的なコインマジックから、カード全般、コンタクトジャグリング等、多くの演目をレパートリーとしながら、幅広い知識に裏打ちされた構成、メンタリストとしての絶妙な心理操作によってありふれたマジックを魔法に高めることのできるIBMのマジシャンオブザイヤー受賞者。

真逆のパフォーマンススタイルであるカール・ヘインとジョン・ボーンのコラボレーションレクチャーは、ヨーロッパツアーにおいて絶賛されています。この機会をお見逃しなく!

日時:2017年6月23日(金曜日) 18:30開場 18:45開演
会場:Pops倶楽部(浜松市中区田町331-9 マルケンビル6F)
会費:社会人 5,000円 / 学生(大学生以下) 2,500円

参加ご希望の方は当ブログ管理人宛、ご連絡ください。
Pops

2017年3月31日 (金)

Easily Influenced

先日(2017年3月26日)、沼津のマジックバー、コットンさんで「ダローのマジックを楽しむ会」が開催されました。
この会は、2月に亡くなったダロー氏の大ファンである研究家の松尾譲治さんとゆうきともさんが発起人となり、お二人がダロー氏の経歴や代表的な作品などを発表する、という会でした。途中、ふじいあきらさんによるダロー氏直伝の3Flyの未発表手順の実演などもあり、非常に内容の濃い会となりました。
また、松尾さんやゆうきさんのダロー愛も感じられ、胸が熱くなりました。

で、そんな会に参加するにあたり、過去のダロー氏関連のディーラーズアイテムを何点か持参しようか、と思い抽斗の中をいろいろとひっくりかえしていたときに見つけたのが、今回ご紹介する「Easily Influenced」です。
Easily_influenced 現象:
1組のデックから2枚のカードが選ばれます。術者は、封筒から3枚のカードを裏向きに取出し「この3枚は他のカードから非常に影響を受けやすい性質を持っています」と言って、選ばれたカードのうちの1枚を足します。カードを表向きに広げるとすべて同じ数字です。そのカードを取り去り、もう1枚の選ばれたカードを足して広げると、先のカードとは違う数字にもかかわらず、3枚とも同じ数字になっています。「色も影響します」と言ってまた元のカード(赤いカード)に変えると、3枚とも赤いカードになってしまいます。さらにカードを2枚目のカード(黒いカード)に変えると、3枚とも黒いカードになってしまいます。「影響を与えるカードがないと3枚は混乱してしまいます」と言って、選ばれたカードを2枚ともしまってしまうと3枚のカードはマークも数字もごちゃごちゃになってしまいます。
現象説明を読むのが面倒な方は、ご本人の実演映像をご覧ください。

通常、デバイデッドカードを使用した変化現象の場合、変化は1回だけですが、巧妙な手順構成で3回変わったように見えるのがミソ。また、この手のギャフカードは、当然全面は見せられないのですが、「ごちゃごちゃになった」との理由付けで堂々と全面を見せてしまう、というのも賢いところ。特別なカウントなども必要なく、文字通り「Easily」に演技できます。
ずっとしまい込んでいましたが、この機会にまた、演じてみようと思います。

ポール・ガートナー氏レクチャー

去る2017年3月25日、名古屋にてフレンチドロップさん主催でポール・ガートナー氏のレクチャーが開催されました。
昔、氏のビデオ(当時はVHSテープ)で見た演技を生で拝見することができ、眼福の至りでありました。
備忘のため、以下レクチャー内容を記載しておきます。

・Photocopy

術者は、「見えないパーム」のデモンストレーションをおこないます。そののち、自分の手形がコピーされた紙を見せ、折り畳んで財布の中に入れておきます。デックから観客に1枚のカードを選んでもらい、そのカードを術者は「見えないパーム」で財布の中に移動させる、と言って「パーム」をすると観客のカードはデックの中から無くなってしまいます。財布を開き、手形の紙を広げると中から観客のカードが出てきます。さらに、紙の方にも観客のカードがコピーされています。
コピー機器の会社のトレードショーの為に作った手順だそうです。「見えないパーム」というキャッチーなイントロから、2段構えのクライマックスも良いです。

・クラシックフォース
氏がおこなっているクラシックフォースの方法を、リカバリ方法も含めて解説。
しかしガートナー氏、クラシックフォースホント上手い。

・Bluff Aces
術者は、デックから4枚のAを取り出して裏向きに卓上に置きますが、あからさまに怪しい動作をします。観客が「何かした」と訝ると、裏向きのカードがAであることを見せ、何もしていないことを確認させます。その後、何度もAを裏向きにする際怪しげな動作をし、そのたびにカードを表向けにして何もしていないことを確認させます。最後は「公明正大」に4枚を裏向きにして片手で卓上に配り、その上に観客の手を置いてもらいます。デックの中程からAではないカードを取り出しますが、このカードがAに変化してしまいます。そして残り3枚のAもデックの中から次々と出します。観客の手の下の4枚を表向きにすると、Aではないカードになっています。
パケットのスイッチのタイミングが絶妙です。前半の何度か繰り返す「怪しい動き」が良いミスディレクションになっています。

・Snapping the Halves
術者は、1枚の銅貨を取出し、これをパチンとはじくと、分裂するように銀貨が出現します。その銀貨をはじくと、もう1枚の銀貨が出現します。同様にしていま出現した銀貨をこすってもう1枚の銀貨を出現させます。銅貨を片手に握ると、残りの3枚の銀貨が1枚ずつ銅貨の方へ移動します。「実は余分なコインを使っていた」と言ってコインをはじいてゆくと、コインは次々に分裂してゆき、最終的には8枚になってしまいます。
昔ビデオで解説を見てひっくり返った一品。演技前の準備のところで笑いました。こういうのがさらっとできるとカッコいいよね。(ワタシニハムリデス)

・コインバニッシュ

複数枚のコインのラッピングについてさらっと解説。落とした時の「音」の問題をうまいこと解決しています。

・That's Ridiculous
術者は、デックから4枚のAを取り出し、テーブルの4隅に1枚ずつ伏せて置きます。さらにジョーカー2枚を取り出し、この2枚を合わせると、中からコインが1枚出現します。このコインを手に握ると消えてしまい、1枚のAの下から出てきます。このコインを再び消し、別のAの下から出現させます。同様のことをさらに2回繰り返します。「実は余分なコインを使っていた」と言って4枚のAをひっくり返すと、それぞれのカードの下から1枚ずつ、計4枚のコインが出現します。再度Aをひっくり返すと、またも4枚のコインが現れ、さらにジャンボコインが出現します。
これも昔ビデオで見てひっくり返ったマジック。準備も含め、何もそこまでせんと、というやりすぎ感がたまりません。もちろん私は出来ません(汗)。

・Cups and Steel Balls
金属のボールを使ったカップ&ボール。
本当に素晴らしい。この演技を目の前で生で見られただけでも参加費分の価値はあったと思います。

・パームについて
ワンハンドトップパームと、複数枚のパームの方法について解説。

・Unshuffled(Fool Usバージョン)


上記動画は旧バージョン。TV番組の『Fool Us』で演じた新バージョンは、カードが当たった後にさらにもう一つメッセージが現れる、というもの。(新バージョンの解説は無し)
こちらも生で見られて感激。

いやー、贅沢な2時間でした。

2017年2月21日 (火)

ジョン・カーニー氏レクチャー

今年(2017年)の春は、「春のレクチャーまつり(🄫ペリエ北原)」と言わんばかりの外国人マジシャンのレクチャーが目白押しであります。
先日(2月18日)、私もその第一弾ともいうべきジョン・カーニー氏の名古屋レクチャーに参加してまいりました。
備忘のため、以下レクチャー内容を記載しておきます。

・Caffeinated Cups & Balls

コーヒーカップとブドウを使ったカップ&ボールの手順。
取っ手のあるカップならではのハンドリングが面白いです。
カーニー氏のファイナルロードについての考え方も勉強になります。

・Silver and Glass
コインの出現、グラスへの飛行、消失、フラリッシュ的な出現の手順。
持ち手のあるシャンパングラスの特性を上手く生かしたハンドリングが巧妙です。
氏の説くフィンガーパームの有用性についてのお話も納得。

・Halves in the Mist
2枚のコインを使ったハンギングコインの手順。
とても不思議ですが、難易度高ぞ(^_^;)
カーニー氏自身も「すぐ出来ると思うな」と仰ってました。「無理だと思った技法でも、毎日練習すれば少しずつ成功率が上がり、いつかノーミスで出来るようになる。自転車に乗るのとと同じように」というお言葉が胸にしみます。

・Just a Cigar
小さなコインパースの中から葉巻(木製のイミテーション)が出てきます。その葉巻をポケットにしまいますが、再び出現します。何度ポケットにしまっても手の中から出現します。その葉巻を手の中に握りこむと消えてしまい、コインパースの中から出てきます。
コインパースから中に入るはずのない長物が出てくる、というおなじみの一発芸的なマジックが見事な手順になっています。

・Inscrutable
術者は1組のデックをカットしてAを取り出す、と言いますがAのかわりにジョーカーが出現します。「ジョーカーはいつも邪魔をする」と言ってジョーカーを裏向きにして卓上に置き、もう一度Aを出そうとしますが、やはりジョーカーが出てきます。ジョーカーを置き、再びAを出そうとチャレンジしますが、またしてもジョーカーが出てきます。さらにもう一度チャレンジしますが、やはりジョーカーが出てきます。しかし、最後に出現したジョーカーで卓上の3枚のジョーカーをすくって表向きにすると、4枚ともAになっています。
要は4回スイッチを行うのですが、無理のないハンドリングになっています。2回目のちょっと図々しいスイッチの方法が面白かったです。

・Bullet Train
4枚のAを使ったカードアップザスリーブ。
最後の飛行の部分の図々しい方法がユニーク。

・Laipzig-Skinner Surprise
デックをリフルして観客にストップをかけてもらい、そのカードを覚えてもらいます。トップとボトムに観客のカードがないことを確認した後、デックを裏向きに観客の手のひらの上に置きます。おまじないをかけてからデックのボトムカードを見ると観客のカードです。もう一度やってもやはりボトムに観客のカードが出現します。さらにもう一度行いますが、今度は観客のカードが出てきません。しかし、術者がデックを手で覆うと、観客のカードが表向きで出現します。
シークレットムーブを行うタイミング、観客の視線の誘導が絶妙です。ただでさえテクニックのあるマジシャンに、完璧なミスディレかまされちゃうとグゥの根も出ません。ここらへんは現場での実践の回数が物を言うんだろうなぁ。

休憩なしでみっちり2時間、堪能させていただきました。ただ、ちょっと残念だったのは、参加人数が思ったより少なかった点。勿体ない!!

さーて、今週末はレクチャーまつり第二弾、ヨーキム氏だ!

2017年1月19日 (木)

ヨーキム・ソルバーグ氏浜松レクチャー

Joachimsolberg ヨーキム・ソルバーグ氏が来日、レクチャーを行います!
ヨーキム氏はデンマークのプロのクロースアップマジシャンです。彼はデンマーク女王と知り合いで、毎年招待されて女王にマジックを披露したり、TVのマジック番組やコマーシャルに出演するなど、非常に知名度が高く人気のマジシャンです。

彼の演じるマジックは、カード、コイン、ロープ、スポンジ・ボール、スプーン、指輪、カップ&ボール、と多岐にわたっています。特にカップ&ボールは絶品で、彼のプラスチックのカップを使った演技を見たマイク・スキナーが感動し、フランシス・カーライルの銅製のカップを譲った話は有名です。

今回は、2004年、2007年に続いて三回目のレクチャーになりますが、以前参加された方も楽しんでいただけるよう、なるべく新しいトリックをレクチャーしてもらう予定です。
この機会をお見逃しなく!!

日時:2017年2月25日(土曜日) 12:45開場 13:00開演
会場:浜松駅前ビル貸会議室 A会議室(浜松市中区旭町10-8 浜松駅前ビル4F)
会費:社会人 5,000円 / 学生(大学生以下) 2,500円
参加ご希望の方は当ブログ管理人宛、ご連絡ください。

Photo

2016年8月24日 (水)

ジョシュア・ジェイ氏浜松レクチャー

Photo ジョシュア・ジェイ氏が来日、レクチャーツアーを行います。氏は世界で最も注目されているマジシャンの1人です。世界60ヵ国以上でレクチャーを行い、最近ではアメリカの人気TV番組、ペン&テラーの「Fool Us」にも出演しました。
今回は2002年、2009年に続いて3回目の来日で、7年ぶりに新作クロースアップやサロンマジックをレクチャーします。
最後にカード1枚1枚すべてが透明になってしまう「Phantom Deck」、テーブルやスライハンド無しに3枚のコインが表れて消える「Triad Coins」、ヒッチコック映画のように奇妙なカードマジック「Hitchcock」、さらにはカードのコントロールやカラーチェンジなどのレクチャーを予定しております。

日時:2016年10月19日(水曜日) 18:30開場 19:00開演
会場:Pops倶楽部(浜松市中区田町331-9 マルケンビル6F)
会費:社会人 5,000円 / 学生(大学生以下) 2,500円
参加ご希望の方は当ブログ管理人宛、ご連絡ください。

Pops

2016年4月27日 (水)

マリニのエッグバッグ

内側と外側を良く改めた布袋から卵が出現消失を繰返すエッグバッグ。1つ持っておくとサロンやちょっとしたステージなどで重宝するマジック道具です。エッグバッグとひと口にいってもいろいろなタイプがありますが、一番ポピュラーなのは「マリニ式」と呼ばれるタイプ。そこで、私が所持しているマリニ式のエッグバッグをいくつかご紹介します。

1 まずは、ポルトガルのルイス・デ・トマス製。
サイズはやや小ぶり。布地は柔らかめ。
個体差があるのかもしれませんが、私が購入したものは縫製が甘く、使用しているうちに袋の底の糸がほどけてしまいました。それを抜きにすれば使い勝手は良いです。
DVDがセットになっていて、解説ではクライマックスにひよこ出すようになっていますが、これはちょっとやりすぎかも。

2 続いてアルゼンチンのバザール・デ・マヒア製。
ルイス・デ・トマスのものよりもひとまわり位大きなサイズ。布地は柔らかめ。
木製の卵が付属しています。卵のサイズはL玉位の大きめのもの。卵はムクなので重量も結構あります。個人的には、卵はもう少し小さくて軽い方が扱いやすいような気がします。

3_2 こちらはスウェーデンのゲイ・ユンバーグ製。
ナイロンのような布地で、触感は硬め。
解説DVD付き。DVDで紹介されている、袋を改めて空であることを示した後、袋を観客に持たせ、観客自身に袋から卵を取り出させる演じ方は非常に効果的だと思います。

6 ミカメクラフト製。
写真では黒っぽくみえますが、青地の布で白いドット模様がついています。布はやや薄手で、柔らか目。
一番の特徴は、口に紐が付いていて巾着状になること。紐のつき方で、袋の中を確認しなくても、タネの位置がすぐ判るようになっています。
7_2 また、オプションとして同じ布で作られたスカーフが別売されていました。これは、エッグバッグの演技の最後に、袋と折り畳んだスカーフをすり替え、袋が一瞬でスカーフに変化する、というクライマックスを演じるためのものです。

4_2 最後はセルビアのロッシー製。
こちらもナイロンのような布地で、触感は硬め。解説DVDとプラ製の中空の卵が付属しています。
実は、このエッグバッグ、「NINJA EGG BAG」という商品名で販売されていたので、「一体どんなエッグバッグなんだろう?」と思って購5_2 入したのですが、解説DVDを見たら、忍者の格好をしたおじさん (ロッシー氏)が普通のマリニ式のエッグバッグの演技をしているだけでした。思わず画面に向かって「そっちかい!」と突っ込んだのは言うまでもありません。

2016年4月22日 (金)

Japanese Glass Levitation

1 このブログを開設した際の最初の記事にも書きましたが、私がマジックに興味をもつようになったのは、祖母に買ってもらったテンヨーのマジックセット、「あなたは手品師」がきっかけでした。

そのセットの中のメイン商品といえるのが、「これが手品」です。どんな現象か、簡単に説明すると……
改めた2個の透明なコップにシルクのハンカチを入れ、その上に折り畳んだ新聞紙を載せます。2個のコップの間にウォンドを差し入れ、そのままを持ち上げるとコップは新聞紙にくっついて持ち上がります。コップからハンカチを抜き出しますが、怪しいところはありません。

3 なにぶんこのセット、ウン十年前に買ってもらったものなので、既に失くしてしまったのですが、少し前に百円ショップのダイソーで、「これが手品」のミニチュア版ともいえる商品を見つけたので、買ってしまいました。
こちらの商品名は「宙に浮くコップ」。
附属のコップは不透明。新聞紙のかわりにハンカチを使用し、コップにハンカチを入れる代わりに水を入れる、と説明書には書いてあります。
タネの部分がこの為に造られたものではなく、市販のある文房具をそのまま流用しているのにはちょっと驚きました。でもって、この「タネ」に対して附属のウォンドが太すぎるので、うまく「浮き」ません。とほほ……(^_^;)

4_2 ところでこのマジック、モダンな道具立てなので、海外から伝わったマジックのようにも思えますが、同じ原理・現象のものが既に江戸時代後期に発行された手品伝授本「盃席玉手妻」に記されています。こちらの本では、コップとウォン5_2 ドではなく、お椀と扇子を使用しています。
そして同様のマジックが、「盃席玉手妻」の他にも「座敷即興手妻」、「手品早合点」、「手妻伝授紫帛」などの伝授本にも記されていることから、江戸時代ではある程度ポピュラー なマジックだったことがうかがえます。

2_2 私が子供の頃に読んだ子供向けの手品本にも同様のマジックが解説されています。こちらは、お盆の上に伏せて置いたコップが、お盆をひっくり返しても落ちない、という演出になっています。また、ウォンドや扇子のかわりに、コップの間には親指を入れる、という演じ方になっています。
※図左は引田天功監修「手品・奇術入門」小学館1971年・右は杉山金太郎著「マジック教室」秋田書店1969年より

で、今回、何故このマジックを取り上げたのかというと、去る4月17日に開催された「第2回 石田天海フォーラム」において、このマジックが話題に上がったからなのです。1936年にこのマジックを「Japanese Glass Levitation」の名で始めてアメリカに紹介したのが他ならぬ石田天海氏だったそうなのです。天海氏が紹介したのは、本の上にコップを伏せ、本を持ち上げてひっくり返してもコップは落ちない、という演じ方で、アンネマンもこのマジックを「優れたトリック」と書いています。その後、このマジックはCh.ラーソンによってヨーロッパに伝えられ「ラーソンがアメリカから持ち込んだトリックではベスト」と評されたそうです。

2016年4月21日 (木)

WHITE WASH

White_wash 1組のデックを表向きに広げて見せ、観客に1枚のカードを頭の中だけで選んで覚えてもらいます。術者は、もう1組のデックを裏向きで取り出して手に持ち、先ほど覚えたカードの色が赤か黒かを観客に尋ねます。観客が答えたら、覚えた色ではない方の色のカードを取り除く、と言って裏向きのまま表を見せずにデックから半分ほどを取って卓上に置きます。次に、マークを尋ねます(例えば、先に観客が黒いカードと答えたら、スペードかクラブのどちらかを聞く)。選ばれなかったマークのカードを取り除く、と言ってさらに手元のカードから半分位を卓上に置きます。最後に、覚えたカードの数が小さいか、大きいかを聞いて、また手もとから半分位のカードを取って卓上に置きます。そして残ったカードを、「A、2、3、4、5、6、7(或いは8、9、10、J、Q、K)」と言いながら、裏向きのまま卓上に1枚ずつ横一列に並べて置きます。そして観客に、1列に並べたカードの中から自分が覚えたカードと同じだと思うカードを表向きにしてもらいます。表向きにしたカードは観客が覚えたのと同じカードです。しかし、残りのカードを表向きにすると、表が印刷されていないブランクカードです。そして、先に卓上に置いたカードの表を見ると、こちらも全てブランクカードです。

カード・シャーク社の「WHITE WASH」です。先日紹介した「ブリザード」と同じく、観客の選ん だカード以外は全てブランク、という現象です。ただ、「ブリザード」と違い、カードの選択を「別デックから選ばせる」ようにしたことと、ブランクデックのタネ部分の「加工」により、ブランクカードを示す部分の演技が非常に楽にできます。

White_wash2_2 で、もうひとつ。こちらは緒川集人氏の「IMPOSSIBLE BLANK」。現象的には、上記の「WHITE WASH」とほぼ同じで、別デックから観客が選んだカード(と同じカード)以外は全てブランク、という現象です。
相違点は、カードの選択が、デックの表を見て覚えてもらうかわりに1枚抜いてもらう、ということ(実際には、こちらのセットでも見て覚えてもらう、という演技は可能です)。
最後に横一列に並べる6~7枚のカードは、最初にブランクデックから抜き出して脇によけて置いておく、ということ。そして、ブランクデックは、最初からブランクであることを見せてしまう、ということでしょうか。ブランクなのを見せながら、「こちらは赤いカードなので捨てちゃいましょう」などと言いながら選ばれなかったカードを捨ててゆくので、変なおかしさがあります。

タネ的な点での相違は、「WHITE WASH」が、カード・シャーク社ならではの加工がされているのに対し、こちらで使用するカードはノーマルで、ある種ミスディレクションをきかせたハンドリング(手順中、一か所で「ブリザード」ほどではありませんが、少し大胆なことをします)で現象を成立させている、という点でしょうか。そのため、ブランクデックの方は、演技後に全て観客に手渡して調べてもらうことができます。緒川氏によれば、手順中のダーティーワークの部分、プロのマジシャンに繰り返し見せたこともあるが、気付かれることはなかった、とのことです。
同じような現象でもさまざまな解決法があるのが面白いですね。

2016年4月19日 (火)

ブリザード

最近はレクチャーの記事ばかりだったので、マジック道具の紹介記事でもひとつ。

1_2 観客に好きなカードのマークと数字を思い浮かべてもらい、それが何のカードだったかを言ってもらいます。術者は「観客の言ったカードと同じ数字のカードを取り出す」と言って、1組のデックから観客に表を見せないように4枚のカード抜き出します。そのうち3枚のカードを表向きにすると、何も印刷されていないブランクカードです。残りのデックを表向きにすると、こちらも全てブランクカードです。残った1枚を表向きにすると、そのカードのみが普通のカードで、観客が思い浮かべたカードです。

ディーン・ディル氏の「コロッサル・ブリザード」です。観客が自由に思った以外のカードは全てブランクカードになっている、という強烈な現象です。
カードの選択は全くのフリーチョイスで、演技後にはすべてのカードを観客に渡して調べてもらうことができます。スライハンド的な意味でのテクニックは不要ですが、手順中、一か所で「とても大胆なこと」を行なう必要があります。そういう意味では、全くの初心者には少し敷居が高いかもしれません。
観客は少なめの方が演じやすそうです。

2_2 観客から見た現象はほぼ同じですが、ギャフデックを使用することによって「大胆な動作」を行なわなくてもよいようにしたのが、マーク・メイソン氏の「ツイステッド・ブリザード」。

ギャフカードを使用することによって、非常に簡単に演技をすることができます。ただし、ギャフカードゆえの欠点もあるわけで……。
何よりも、「観客のカード」を手渡しどころか、カードの全面を全て見せることができないのはちょっとマイナス。
なお、附属DVDでは同じギャフデックを使用した「アオウト・オブ・ディス・ワールド」のバリエーションも解説されています。

3_2 カードの選択部分にエキボック的な手法を使うことによって、ギャフカードやデックスイッチを排して同じような現象を行なえるようにしたのが、オズ・パールマン氏の「コロッサル・ブリザード」です。
難しいテクニックは不要で、ブランクカードの改めも自然に見える無理のない手順だと思います。

2016年2月 3日 (水)

カール・ヘイン氏レクチャー

Img_20160131_145408 去る1月31日、名古屋で開催されたカール・ヘイン氏のレクチャーに参加してまいりました。ヘイン氏については、「ヘインシュタインシャフルの人」ぐらいの認識しかなかったのですが、カード以外にもコイン・紙幣・ルービックキューブ等多彩な演技解説をされ、ショーとしても楽しめました。

以下、備忘のためレクチャー内容を記載しておきます。

・HEINSTEIN'S DREAM
カードのトーン&レストア。
デュプリケイトを取扱いやすくするために事前に○○しておく、というのは別段新しい手法ではないのですが、後段の復活後のタネの処理の際にもその準備のナニを再利用する、というあたりが巧いところです。

・HEINSIGHT
デックケースのフラップに「あなたはジョーカーを選ぶ」と予言が書かれています。ケースからデックを取り出し、観客に1枚のカードを選んでもらいます。観客が選んだカードを見るとジョーカーではなくハートの2です。しかし、ケースを見ると、フラップには「あなたはハートの2を選ぶ」と書かれています。さらに、ハートの2以外の残りのカードを見ると、全てジョーカーです。
不思議で意外性のある2段構えの予言トリック。別のトリックのギミックの原理を、フラップに書かれた予言の変化に応用するのが賢いです。リセットも簡単なので、テーブルホップをするマジシャンは重宝しそう。

・SQUARELY DEALT
シャフルしたデックで4人分のブラックジャックの手を配ると、全ての手の合計が21になっている。さらに、配られたカードを4×4の方形に並べると、縦・横・斜め・角の4枚等、全ての合計も21になっている。
魔方陣トリック。スタックデックなのですが、フォールスシャフルを駆使してからのディーリングなので説得力があります。なお、ヘイン氏、実演の際、途中で「ごめん、セット間違えた」と言って、ご自分のレクチャーノートを見返しながらセットし直してました(^_^;)

・FALSE SHUFFLES & CUTS
ヘインシュタインシャフルのバリエーション的なヘイネスシャフル・トリュフルシャフルや、フォールスオーバーハンドシャフル、フラリッシュ風のフォールスカット等をざらっと実演。トリュフルシャフルはリフルシャフルしてるようにしか見えなかった。練習して出来るんだろうかアレ(^_^;)

・BREAKING THE 2nd Rule
3人の観客が選んだカードがカードケースの下から現れたり、逆に選ばれたカード以外の残りのデックがいつの間にかカードケースの下にあったり。
3段からなるカードアンダー・ザ・ケース現象。観客の注意力の誘導が良く考えられています。演技が終了した時点でデックスイッチが完了しているので、そのまま次のカラーチェンジングデックの演技に続きました。

・MY FAVORITE COLOR CHANGING DECK
赤裏のデックを取り出し、観客に好きなカードを言ってもらいます。そのカードを抜き出して裏を見ると、そのカードだけが青裏です。しかし、その後、デック全体が青裏になり、先ほど観客が言ったカード1枚のみが赤裏になります。さらにその赤裏のカードが、他のカードと入れ替わります。
3段(続けて行なわれたHAT LOADを入れると4段)の手順。ありがちといえばありがちな現象なのでしょうが、細かい部分でハンドリングが工夫されています。

・HAT LOAD
観客の指定したカードが術者のかぶっていた帽子の中から出てきます。さらに、帽子の中からケチャップ瓶が2本出現します。
ケチャップのロードはかなり大胆なのですが、見事に引っかかりました。2本目が出てきた時は「ウェッ」と、ちょっと変な声がでました(^_^;)

・HEINY 500
5枚の白紙が千円札になります。
タネ自体はおなじみのものなのですが、改め部分のハンドリングがとても綺麗で、「あれ?全部裏表あらためたよなぁ」とひっかかりました。

・SWITCH CRAFT

紙幣を使った当てもの。
以前、グレゴリー・ウィルソン氏が来日した際もちょろっと紹介していたネタ。「紙幣になる白紙」のタネを当てものに応用するアイデアは目から鱗です。

・HEIN'S CATCH UP

銀貨・銅貨・チャイニーズコインのいわゆる「スリーコイントリック」を使った、コインの出現・3フライなど5段からなるルーティン。後段の観客の肩や腕を使った部分のミスディレクションのかけ方などはさすがです。

・ONE COIN ROUTINE
氏のワンコインルーティーンとマンモスコインのプロダクションをさらっと実演。解説。

・GRANDMOTHER'S B.L.T.
観客が選んだカードが2枚の絵札の間から現れます。さらに2回、サンドイッチ現象が繰り返されますが……
3段からなるサンドイッチカード。意表をついた3段目の現象がユニーク。こちらも観客の誘導が巧く考えられています。

・CUBE FX(演技のみ)
ルービックキューブを使ったルーティン。揃ったキューブを観客が混ぜたキューブと同じ配列にしたあと揃えたり、観客が選んだ1色だけをそろえたり。

・THREE DEGREES OF SEPARATION(演技のみ)
借りたデックを観客にシャフルしてもらった後、3人の観客に好きなカードを見て覚えてもらいます。「カードの順番を覚える」と言って、30秒ほどデックのフェースを見た後、裏向きにしてそれぞれの観客に覚えたカードの名を言ってもらい、そのカードをデックの中からいろいろな方法で取り出します。さらにデックをシャフルすると、トップからA4枚・2が4枚・3が4枚……Q4枚・K4枚、という具合に、数ごとにそろってしまいます。さらにシャフルすると今度はスーツごとにA~Kの順番にそろってしまいます。トリにふさわしい圧巻の演技でした。

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