去る2017年3月25日、名古屋にてフレンチドロップさん主催でポール・ガートナー氏のレクチャーが開催されました。 昔、氏のビデオ(当時はVHSテープ)で見た演技を生で拝見することができ、眼福の至りでありました。 備忘のため、以下レクチャー内容を記載しておきます。 ・Photocopy 術者は、「見えないパーム」のデモンストレーションをおこないます。そののち、自分の手形がコピーされた紙を見せ、折り畳んで財布の中に入れておきます。デックから観客に1枚のカードを選んでもらい、そのカードを術者は「見えないパーム」で財布の中に移動させる、と言って「パーム」をすると観客のカードはデックの中から無くなってしまいます。財布を開き、手形の紙を広げると中から観客のカードが出てきます。さらに、紙の方にも観客のカードがコピーされています。 コピー機器の会社のトレードショーの為に作った手順だそうです。「見えないパーム」というキャッチーなイントロから、2段構えのクライマックスも良いです。
・クラシックフォース 氏がおこなっているクラシックフォースの方法を、リカバリ方法も含めて解説。 しかしガートナー氏、クラシックフォースホント上手い。
・Bluff Aces 術者は、デックから4枚のAを取り出して裏向きに卓上に置きますが、あからさまに怪しい動作をします。観客が「何かした」と訝ると、裏向きのカードがAであることを見せ、何もしていないことを確認させます。その後、何度もAを裏向きにする際怪しげな動作をし、そのたびにカードを表向けにして何もしていないことを確認させます。最後は「公明正大」に4枚を裏向きにして片手で卓上に配り、その上に観客の手を置いてもらいます。デックの中程からAではないカードを取り出しますが、このカードがAに変化してしまいます。そして残り3枚のAもデックの中から次々と出します。観客の手の下の4枚を表向きにすると、Aではないカードになっています。 パケットのスイッチのタイミングが絶妙です。前半の何度か繰り返す「怪しい動き」が良いミスディレクションになっています。
・Snapping the Halves 術者は、1枚の銅貨を取出し、これをパチンとはじくと、分裂するように銀貨が出現します。その銀貨をはじくと、もう1枚の銀貨が出現します。同様にしていま出現した銀貨をこすってもう1枚の銀貨を出現させます。銅貨を片手に握ると、残りの3枚の銀貨が1枚ずつ銅貨の方へ移動します。「実は余分なコインを使っていた」と言ってコインをはじいてゆくと、コインは次々に分裂してゆき、最終的には8枚になってしまいます。 昔ビデオで解説を見てひっくり返った一品。演技前の準備のところで笑いました。こういうのがさらっとできるとカッコいいよね。(ワタシニハムリデス) ・コインバニッシュ 複数枚のコインのラッピングについてさらっと解説。落とした時の「音」の問題をうまいこと解決しています。
・That's Ridiculous 術者は、デックから4枚のAを取り出し、テーブルの4隅に1枚ずつ伏せて置きます。さらにジョーカー2枚を取り出し、この2枚を合わせると、中からコインが1枚出現します。このコインを手に握ると消えてしまい、1枚のAの下から出てきます。このコインを再び消し、別のAの下から出現させます。同様のことをさらに2回繰り返します。「実は余分なコインを使っていた」と言って4枚のAをひっくり返すと、それぞれのカードの下から1枚ずつ、計4枚のコインが出現します。再度Aをひっくり返すと、またも4枚のコインが現れ、さらにジャンボコインが出現します。 これも昔ビデオで見てひっくり返ったマジック。準備も含め、何もそこまでせんと、というやりすぎ感がたまりません。もちろん私は出来ません(汗)。・Cups and Steel Balls 金属のボールを使ったカップ&ボール。 本当に素晴らしい。この演技を目の前で生で見られただけでも参加費分の価値はあったと思います。
・パームについて ワンハンドトップパームと、複数枚のパームの方法について解説。・Unshuffled(Fool Usバージョン)
VIDEO 上記動画は旧バージョン。TV番組の『Fool Us』で演じた新バージョンは、カードが当たった後にさらにもう一つメッセージが現れる、というもの。(新バージョンの解説は無し) こちらも生で見られて感激。
いやー、贅沢な2時間でした。
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